2 君とであった日は雪の日だった。 最後の期末テストが終わって、あとは春休み。 そんな日だった。 テストの点数も『普通』。 平均点より悪いわけではないけどずば抜けて言いわけではない。 『馬鹿』じゃないけど『天才』でも『秀才』でもない。 玄関で一緒に帰る友達を待っていた時だった。 俺の元に『恐ろしいもの』とともに天使は舞い降りた。 『恐ろしいもの』…。 それは真っ白な悪魔だった。 ピラッと音を立ててやってきたそいつにはこう書いてあった。 『1学年 英語 学年末テスト 1年7組 「…19点…。」 それは俺が今までに目にしたこともないほどの点数のテストだった。 ちなみに、このテストは稀に見る簡単な問題で平均点はたしか80点以上だった。 「きゃ〜〜っっ!!」 そう叫びながら走ってきたのはその持ち主のようだった。 「ごっめんなさい!点数見ちゃった?」 そりゃ、点数を隠しもしないで落ちているのを拾えば見られて当然だ。 「やっぱ、見ちゃったよね。追試がんばんなきゃなんだ〜っ。英語苦手で…。」 高いテンション。 なのに、嫌じゃない。 透き通るような白い肌。 それを引き立てるような漆黒の長い髪。 それに反して色素の薄い茶色い目。 そして、真っ赤な薄い唇。 「あっ!!えっと。何年何組?」 「1年1組。」 「よかった〜っ。今までタメ口だったのに先輩じゃなくて!!あ…今彼女待ち??」 「今、俺彼女いないから。」 元彼女は急に告ってきといて、別れを告げるのも突然だった。 『クールでかっこいいと思ったけど、それだけの人だった。』 そんな捨て台詞を残して…。 よくわからない。 『それだけの人』という言葉の意味と元彼女が何をしたかったか…。 1番最近の元彼女だけじゃない。 付き合った女は皆、誰でもそんなことを言った。 「そっか。じゃ、よかった。」 『よかった。』 何故かわからないけどその台詞にドキッとした。 何故かはよくわからないけど…。 「じゃ、口止めにアイスおごらせて!!」 「え?」 「だって、今待ってるの彼女じゃないんでしょ?」 「友達待ってんだけど…。」 「女の子なの?」 「男だけど…。」 「じゃ、大丈夫。女の子なら他の女につれてかれたら怒るかもしれないけど、男の子なら怒んないって!」 「でも…。」 「ほら!!早く!!」 そう言って俺の手をつかんだ冷たく白く細い手。 透き通るような雪のような手…。 ドキドキした。 どうしたんだ??俺!! 何時からこんな純情少年になったんだ?? 笑顔で手を引く君がまぶしく見えた。 ⇒ |
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